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季節の変わり目と言うことも相まって、天気の予測もつかないこの時期だが、 もしかして、予感はしていたのかもしれない。 -------------- 見上げれば -------------- 「ふぇ〜〜疲れた疲れた!ったく千回素振りなんて飽きるにも程があるっつーの!」 「しかも雨降ってきやがって…」 ぶちぶちと文句を言いながら少年は鞄を、半ば投げるように置いた。 洗面所から洗いおろしたタオルを頭に乗せ、がしゅがしゅと大ざっぱに拭く。 不意に掛け時計に目をやると、針は垂直に六時を指している。 やはりというか、思い出すのは大切な家族の事であった。 「ったく父さん何してんだよ…。定時はとっくに過ぎたはずだろ?」 空中に投げたその言葉は、返されもしないままどこかしらに消えていく。 ---------独りって、すっげぇ寂しいんだな 特に最近になって友達や仲間が増え、 家族も戻ってきて独りきりで居ることが少なくなった。 そのせいなのか、途端に独りにされると寂しさで押し潰されそうになる。 剣技を習うような者がこんなんじゃ駄目だ、と自分に言い聞かせてはいるが やはり簡単に感情は押し込められない。 「はぁ…全く、しょうがねぇな……!」 少年が放ったその言葉は誰に向けたものだったのか。 おそらくは唯一の存在、"父"であったのだろうが、 もしかしたら自分に向けたものだったのかもしれない。 お気に入りのジャケットに袖を通し、軽く拭いてさっきまで放って置いた鞄から 財布と携帯電話、鍵を取り、少年は早々に玄関へ走る。 今年に入ってまだ使っていなかった傘を2本手にし、勢い良くドアを開けたその時 「クゥーン……」 「おわぁ!!ビックリしたぁ…!の、ノイシュ!こっち来ちゃダメだって言っただろ!?」 ノイシュと呼ばれた犬…にしては少し大きすぎる体を持つ動物。 実はロイドが大家さんに内緒で飼っているのだ。 大きいので室内で飼うのは無理だろうとの父からのアドバイスを受けて、 寝床は近所の自然公園を利用しているが、ちゃんとご飯は与えているらしい。 「ん?お前も父さんが心配なのか?」 「ワォン!ワォン!」 まるで意志が通じたように返事をしたその動物に ロイドはほっと一息ため息をついて言った。 「よーし、一緒に行こうぜ。ノイシュ!」 少年はいつの間にか笑顔になっている。 彼に会いに行くのがよほど嬉しいのだろう、 一人と一匹はじゃれ合うように顔を近づける。 「ただし、人に見つからないように走るんだぞ?」 「ウォン!!」 そうしてどのくらい走っただろうか、雨も少し弱まってきた。 人通りも多くなったので、ロイドはノイシュと別れることにした。 向かうところは、父の仕事先の最寄り駅だ。 何回か駅まで連れてきて貰ったことはあったので、 なんとなく道が分かるような気がしたのだが…… ---------うわ、もしかして俺ってば、迷った!? 風景に見覚えがあるので、近くに居ることは確かだ。 だがどの方向に駅が有るのか、分からなくなってしまった。 「はぁあ…どーしようかな…人に聞くのも何か気が引けるし」 そこへ一台のバイクが通りかかった。 「あれっ!?ロイド君?」 「ごっ五代さんっっ!?」 五代と呼ばれた青年は、おもむろにヘルメットを外すと、 バイクを止めて近づいてきた。 奇遇にも、二人はお互いにちょっとした知人であった。 しかも、”とびっきりのヒミツ”を知ってる仲だ。 「いやぁ、ここで会えると思わなかったよ〜。どうしたの?」 「あ…えと……ま、迷っちゃったんだ…駅、どっちですか?」 青年はいつも通りの笑顔、いつも通り親指を立てて答えた。 「駅か!俺も今、駅に行くところだったんだ!一緒に行こうよ」 「えっ、ほんとですか!?」 少年もつられて笑顔になる。 「あ、あの…!これ、ビートチェイサー…ですよねっっ!?」 「そうそう、良く知ってるね!」 「すっげぇ〜〜〜カッコイイなぁ〜〜」 どうやらバイクに興味があるのか、 五代とバイクの周りをぐるりと一回りしてそれを見る。 見兼ねた青年が、目を輝かせている少年に言った。 「乗ってみる?」 「えっ!!いいの!?」 「二人乗りは無理だけど、ロイド君が乗って俺が押せば…じゃ駄目かな?」 少年は言葉では答えなかったが、輝きに満ちたその顔を見れば返事などいらなかった。 青年と少年は駅までの道のりと、互いが待つ相手が駅に着くまでを共にすることにした。 ふと、ついさっきまで笑顔だった少年が、真剣そうな眼差しで言った。 「あの、すいません。なんか俺、迷惑かけてばっかりだ」 バイクから降りた少年と目線を合わせる。 「えっ、何で?そんなこと無いよ!?」 うつむき加減に少年は口を開いた。 「こうやって勝手に迷って…俺、父さんに…五代さんにも、迷惑かけてばかりだ…」 青年は今度は自分が塗れるのもお構いなしに、両方の肩に手を置いて言った。 「俺は全然迷惑なんて思ってないよ。」 「それに、お父さんだって。君のこと迷惑なんて思ってないよ。 …ロイド君も、お父さんの為にここまで来たんだよね! 俺も同じ!俺も一条さんやみんなの為に、出来ることをしてるだけだよ」 青年がいつもの笑顔で笑う 「それにお父さんは、君のこと大好きだと思うなぁ」 「だからそんなこと無いって!絶対っ」 「…そうかな…」 「そうだよっ!ヒーローお墨付き!」 最後の方はひそひそ声だったが、それでも力強い声だった。 青年の笑顔を見て、少年は少し安心したような気がした。 「じゃあ俺、そろそろビートチェイサー置いてくるね!」 「へへ、そっか!4号さんのバイクは有名だもんな!!」 「じゃあ、またね!」 青年の後ろ姿を追いながら、精一杯手を振った。 しばらくすると話の当人、クラトスが 傘でも買わねばならんかと、雨の空を見上げながら駅まで近づいてくる。 そのせいかロイドには気づいていない様子である。 少年は思い切って叫んでやった。 「父さ〜〜ん!!お帰りぃ〜〜〜!!!傘持ってきたぞーっ」 さすがに気づいた父親は「やめなさい、恥ずかしい」と言いながら照れ笑いである。 「父さん、おかえりっ!」 「あ、あぁ…ただいま。」 「へへっ…ほい、傘!」 少年は得意げに笑った。 「ああ。」 「……いや、傘は一本でいい」 「えぇえ!?せっかく持ってきたのによう……」 ぷくーっと頬を膨らませるロイド。 「これでいいんだ」 そう言うとクラトスは一本の傘の中に、愛しい息子を引き寄せる。 「…なぁ。…これって、もっと恥ずかしいんじゃないか……?」 伏し目がちな息子に、今度は父親が視線を逸らしながら言う。 「仕返しだ」 一本の傘からは、二つの笑い声と幸せが溢れていた。 少年が見上げるとそこには、一番大切な笑顔があった。 いつも見上げたそこに、その笑顔があって欲しいと 強く---------深く願った。 …はい、意味分かりません。すっげー疲れました。(じゃあ書くな) 文章を書くのって、すごくパワーのいることなんだと再確認しました。 字書きさんってすごい!!! そして内容についてはもう何を言っていいのやら。 つぅかいい加減にしろよこのボケ親子を、という感じ? というか、無駄にノイシュ(犬)が出てます。 ああもう!文才が欲しい、文才がッッ!!! 五代さんについて誤りがありますことを、ここでお詫びいたします; 空我ファン、親子ファンに激しく平謝り。すんません!!! 04.07.04 山本 のりまき |